事例の解説:
【5度音程の場合】
- 基準音Aに対する5度音程Eの音とは、基準音Aからみて《5度上の音》E のことを指す。
- 基準音Aより下に位置する、基準音Aの5度音程Eの音とは、基準音Aからみて《4度下の音》E のことを指す。※1.
- (※1.の考え方:『主音[トニック]Aの属音[ドミナント]Eの1オクターブ下[8va down]の音』)
- (※1.の呼び方:『1オクターブ下の属音[ドミナント]Eの音』)
【4度音程の場合】
- 基準音Aに対する4度音程Dの音とは、基準音Aからみて《4度上の音》D のことを指す。
- 基準音Aより下に位置する、基準音Aの4度音程Dの音とは、基準音Aからみて《5度下の音》D のことを指す。※2.
- (※2.の考え方:『主音[トニック]Aの下属音[サブドミナント]Dの1オクターブ下[8va down]の音』)
- (※2.の呼び方:『1オクターブ下の下属音[サブドミナント]Dの音』)
この解説は正しいかどうか:
上記の※1.〜2.のような解説は、
スコア上での指定音の位置関係を表す意味においては、
必ずしも “誤り” ではないが、
説明などで、受ける側の混乱を避けるためには、
“基準音からみて何度下の音” という表現を初段階で用いず、
はじめは主音の位置を明らかにして、
その主音に対する “5度音程の音” か、 “4度音程の音” と、
音程度数の方向性を限定したところから伝えるほうがよい。
つまり、上述の【5度音程】や【4度音程】の※印にあるような、
オクターブ上下の音域指定が必要な音の説明では、
『主音の位置を明確に表示』した上で、
『1オクターブ下の主音に対する5度音程(又は4度音程)の音』とするか、
『1オクターブ下の主音に対する属音(又は下属音)』とし、
『考え方』も『呼び方』も受ける側にとって同じ解釈ができるように、
その内容を組み立てるべきであろう。
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